主人の供養にパチンコをしています!    



主人の供養にパチンコをしています!  


 ある地方都市の街はずれ店舗にて



あれは店長時代のこと。

カウンターの近くにいる私に緊張した面持ちで近寄ってくる40代半ばの女性がいた。
途端にその女性は、「店長さんですか。聞いてください。毎日パチンコ屋さんに入りびたりで、仕事もしないで本当に困っているんです。やめさせてください!」と相当の剣幕であった。


怒りは止みそうになくしばらく続いた。
「店長!うちの人毎日、仕事もせずにここに来て負けてばかりで…
どうにかしてもらえませんか。このままでは生活も大変になり、
家だって担保がついて、売るはめになっています」
いつもパチンコのことで喧嘩になっては不愉快な日々を
過ごしているということも強調していた。


私は咄嗟のことで対応の仕方に苦慮した。
「やめさせてほしい」と言われても・・・

店内で不正をしたり、暴れたりしてお客の遊技の邪魔になっているならば、しかたのないことではあるが・・・
出入り禁止を言い渡すことは、当時の客層からいって、日常茶飯事で行われていたので何も躊躇することではないが・・・
今度ばかりはただ事ではない。

しかし、生活が大変で家まで売るとは尋場ではない。
だからと言って個人の意志で来客しているお客様の遊技を止めさせるなんて、どうしたらよいのだろうと私は混沌とした。


あれから、ご主人は来客することはなかった。
1か月半も経ったあるとき、あの時に会った、女性がパチンコをしているではないか。

驚きだ!唖然とした。目を疑ったが間違いなくあの人だ。

無我夢中に激怒したあの時のことが鮮明に蘇ったのだ。

それにしても奥さんがハンドルを握って盤面を直視している姿は信じられなかった。

それにご主人は何故、いないのだろう。「あのう、あの時に出会った奥さんですよね。
今日は?ご主人さんは?」と、声をかけると、
「あっ、店長さん!」と言いながら、淡々と話しを始めた。



実は、あれからまもなくして、ご主人は病気で亡くなりました。

奥さんはその日から毎日のように店に来ては、玉をはじき続けました。

「あの人が大好きなパチンコをやかましく言ってすまなく思っている…
パチンコがこんなにおもしろいとは思いませんでした。
主人の供養にとパチンコしています。」



本当に泣かされました。
その時、私は人生の苦境にいた自分と、
何かが交錯いている様で強く胸を打たれました。


*この頃、借金の肩代わりで体を担保にパチンコの道に入ったのが始まりでした。
辛いからと逃げ出す訳にもいかなかったのがすごく辛かった。
主人の供養にパチンコしているこの主婦の生き様に、
私のやるせないパチンコ人生を垣間見るような気がしました。あれから私はいつの間にかパチンコ談義を「パチンコ人生」で語るようになっていた。今日、このように自分の存在意義を主張できるのも、あの主婦のお陰かも知れないと思っている。


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by pyuaraito | 2007-12-10 00:10 | 弱小ホールの悩み

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